【イエプロ2022掲載インタビュー記事】つくり手と住み手の想いをつなぐ。
「イエプロ2022」に、当社代表の神野和彦のインタビュー記事が掲載されました。
記事では、神野が設計のインスピレーションの源や、施工の品質へのこだわりについて語っています。
ぜひご覧ください。
伊予の小京都・大洲の肱川のほとり。明治時代、豪商の別荘として築造された「 臥 龍 山 荘 」にて 。
「 繊細につくり込んだ意匠の美しさと、四季のうつろいを感じる庭園との調和が見事。臥龍院の縁側に佇むと、インスピレーションが湧いてきます」と神野さん。
Q1 設計のインスピレーションとしているものは?
美しい古建築や近現代建築です。 現地で感じたひらめきを自分なりに咀嚼しそのエッセンスを住空間へも活かしています。
建築を見るのが好きです。
幸運なことに建築に携わる立場にあるので、これまで見てきた造形美を設計に活かせる楽しさがあります。特に妥協なく造られた美術館などの建築から受ける刺激は大きいですね。寺社や古民家などの古建築や、町家の繊細につくり込んだ感じも好きです 。
建築物は皆さんが思っている以上に細かい部位の集大成なので、一つひとつのつくり込み次第で空間として全く違うものに見えてきます。
町家の低い天井が妙に落ち着いたり、高低差や明暗の差が心地よかったり。狭いのに気持ちがいい空間になっているのはなぜか、そういった視点で建築を楽しみつつ観察し、考え、住宅設計にも取り入れています。
Q2 施工の品質にもこだわっているそうですね。
建築は人の手によって生まれるものですから。
つくり手の想いを共有することで住み手にとって唯一の幸せな家を…と考えています。
住宅の品質は設計と施工が揃ってはじめて成り立つもの。
いくらいいデザインができても 、施工が正しくなければ住空間として住み手が満足するものとは言えません。ですから信頼する大工さんに依頼し、施工管理を徹底。現場をしっかり見ることを大事にしています。
また、素材においても同じです。実際に木材や珪藻土が生まれる場所をたずね、製造の苦悩や工夫を聞いてこそ、想いを持って使うことができます。建具も一つひとつ設計図を引いて、建具屋さんに依頼しています。既成の材料に合わせて家をつくるのではなく、住み手に合わせて材料をつくる。
そこに大量生産ではない、人の手が入ったものづくりの良さを感じます。
Personal Photo
#近現代建築巡り
滋賀県の佐川美術館茶室や、高知県梼原町の隈研吾建築など、現在の材料と技術による建築はとても勉強になります。特に雲の上のギャラリーの登り梁は見事。
#スケール
30代の頃、どこに行くにもスケールを持っていた時代がありました。この空間はいいなと思ったら測ったり、簡単にスケッチしたりもしていましたね。
#愛車でドライブ
ドライブが大好きで、山とか海とか、景色を見ながら走らせるだけでストレス発散になります。愛車はフィアット、シトロエン。
デザインが好きなんです。
#舞台美術
以前は演劇で役者もしていましたが、現在は「劇団システムキッチン」の舞台監督、舞台美術を担当しています。
建業の仕事に活かされることもありますね。
Profile
1972年松前町生まれ。松山工業高等学校建築学科卒。総合建築設備会社、住宅建材メーカー、建設会社を経て、2005年ワンズスタイル設立。日本自然派住宅研究機構代表理事。一級建築施工管理技士、一級土木施工管理技士、古材施工技術士ほか。演劇の舞台美術も手掛ける。